すべての中国人が読まなくてはならない日本に関する文章

昨日の読売新聞で中国のテレビキャスター芮成钢(芮成鋼)氏の日本に関する論文が紹介されており、気になったので原文を読んでみた。この人は以前「故宮にスタバは不要」を唱えて話題を起こした人ですね。(原文:请星巴克从故宫里出去


原文:每一个中国人都应该看的关于日本的文章 (簡体)
   每一個中國人都應該看的關於日本的文章 (繁体 by Google台灣
英語翻訳:An essay about Japan that every Chinese person ought to read.


やはり繁体の方が読みやすい。日本の漢字に近いしね。


残念ながら日本語の完全翻訳版は見つからなかった。
昨日の読売新聞の記事では要旨が掲載されている。概要だけであればこれでも十分だが、興味がわいたらやはり本文を読んでみたいところ。


内容については政治的なことも絡んでくるので置いておくとして、個人的には中国語の日本語からの借用語についてのくだりが気になったので少し訳してみます。

ちょっと問題を出してみましょう。次に挙げる中国語の単語のうち、どれが日本語から由来しているものでしょうか?


服務、組織、紀律、政治、革命、黨、方針、政策、申請、解決、理論、哲學、原則,經濟、科學、商業、幹部、後勤、健康、社會主義、資本主義、封建、共和、美學、美術、抽象、邏輯,證券、總理、儲蓄、創作、刺激、代表、動力、對照、發明、法人、概念、規則、反對、會談、機關,細胞、系統、印象、原則,參觀,勞動、目的,衛生,綜合,克服,馬鈴薯


答え:全部。すべて日本語に由来するものです。実際にはこれだけに留まらず、日本語に由来する中国語は非常にたくさんあり、数え切れないほどです。


例を挙げてみましょう。“經濟”とは、古い中国語では“經世濟民”(世事を管理して、民を豊かにする=政治)の意味ですが、これは現代中国語の“經濟”とは全く関係がなく、こちらはEconomyを日本語で翻訳した意味です。古い中国語の“社會”は“集會結社”(人の集まり)の意味であり、日本人はこれを英語のSocietyの翻訳に当てています。“勞動”は中国では古くは“勞駕”(客の来訪に対するねぎらいの言葉=ようこそ)の意味で使いますが、日本語ではこれを英語のLaborの翻訳に使います。“知識”は古い中国語では“相知相識的人”(見知っている人、友人)を指しますが、日本語ではこれを英語のKnowledgeの翻訳で使います。そして私たち(中国人)はこれらを中国語に取り入れています。


日本製品の非買運動をしている友人に聞いてみたらどうでしょう?これらの日本語の言葉をあなたは排除できますか?中国の近代では孫中山孫文)、魯迅、陳獨秀、李大訢といった人々の中で日本で生活し、学習しなかった者は一人としておらず、彼らは先進的な理念と思想を携えて当時後進的だった中国にこれらをもたらしました。彼らの思想や文化をあなたは排除できますか?

現代中国語にはかなり多くの日本語からの借用が入っていると知ってびっくり。
日本でも幕末から明治時代にかけて福沢諭吉など多くの日本人が外来語(近代文化を取り入れる際に一緒についてくる言葉、特に抽象語、概念語など)を翻訳して日本語に取り入れたわけですが、中国でも同じような人たちがいたわけですね。
...といっても元からあった漢語に日本人が新しい意味(外国語の訳語)を当ててそれが中国に戻ったわけだから、逆輸入(?)になるのかな??