ヤフーはソフトウェアの著作権保護に対しての取り組みが不足しているのではないか

下記のエントリを書いた後、ヤフオクのシステム側での取り組みがどうなっているのかが気になって調べてみた。


オークションの出品に関するヘルプでは、著作権関連のトピックは以下のところにある。
Yahoo!オークション
出品にあたっての注意
禁止出品物

他人の権利を侵害する商品
  • 著作権(複製権侵害については記録メディアを問いません)
    無断複製した音楽CDや映画、ゲームソフト、コンピュータソフト、海賊版、テレビの録画テープ、ラジオの録音テープ、許諾のないプレインストール販売など

「複製権侵害については記録メディアを問いません」という部分において、PCのHDDへの複製(インストール)などを含意していると思われるが、一般のオークションユーザーにとってはそこまで読み取れないだろう。
ソフトウェアライセンスに明るくない者(多くのオークションユーザーが該当する)にとっては何が「無断複製」であるか、この文だけを読んで理解せよと言うのは無理があるだろう。一般的な捉え方だと物理的な複製(CD-RやDVD-Rなどの物理媒体レベルのコピー)だと受け取ると思われる。
知らず知らずのうちに、意図せずに、違法複製をしてしまうユーザーを減らすために、ソフトウェアのインストールと言う行為はそれ自体「複製行為である」ということをヤフーは周知啓蒙すべきであると思う。


なおヤフーはもう少し噛み砕いたコンテンツも用意している。
Yahoo!オークション
出品する
知的財産保護について
第1回「著作権」
こちらは一般の人にとってもわかりやすく、違法となる行為を具体的に例示したりして著作権に対する理解を深めようとしている。
しかし、こちらの説明もやはり物理的な複製行為の防止を一義的な目的としているようで、ソフトウェアのライセンスの観点での説明が欠落している。
3時間目 Yahoo!オークションと著作権保護

著作権法に関する、Yahoo!オークションの取り組み  

当然のことですが、Yahoo!オークションでは、著作権法に基づき、複製権侵害品(コピーCDやコピーDVDなど)の出品を禁止しています。またYahoo! JAPANは、「違法コピー品」であることが明白な出品物を発見した場合には、出品物の削除Yahoo! JAPAN IDの利用停止などのしかるべき対応をとっています。

赤字部分のように、わざわざ媒体を例示することで想定される範囲を自ら狭めてしまっている。また「侵害」と言う表現も形のある物理媒体を強く意識させる。


せっかくこのようなわかりやすいコンテンツを用意しているのは評価できるところであるのだから、片手落ちにならないようライセンス違反も著作権(複製権)侵害になるということを、具体的な例(HDDにソフトウェアの複製を残したままインストール媒体を出品すること)を挙げながら説明を追加するべきではないかと思う。


現状ではシステム側がこのような有様であるから、出品者の意識が低いのもやむをえないのかもしれない。