作家とファンの関係

某大手様のブログで、自分の作品がメディア展開とかミリオンヒットしてないことを読者に申し訳ない、と書いてた。


私自身はこの方、昔からファンなのだがちょっとこの言い方はどうかなーと思ってしまった。
読者の期待と投資とはやはり違うのではないかと。投資というとどうしても金銭的インセンティブありきなのでどろどろした邪な世界。読者はそういう見返りを求めてるんじゃなくて、単純に 作品が好きだから、作家さんが好きだから買ってるんだよ(少なくとも私はね)。だからこの「申し訳ない」というのは申し訳ないが理解に苦しむ。売れる、売れないはファンも一喜一憂するところではあるけれども、読者のために、読者に期待されているからメディア展開とかミリオンヒットを目指すというのはちょっとベクトルが違う気がする。
言い方は悪いがそこは読者を「だし」に使わず、素直に自分の意思として、表明してほしかった。


ミリオンヒットして直接的に喜ぶのは出版社であり、その裏にいる株主など投資家であって、あるいはテンバイヤーも然り、いずれもお金が絡む。ファンが期待するのは継続的にいい作品を作ってほしいということに尽きるのであって、メディア展開だとかミリオンヒットだというのはその結果として付いてくる事象に過ぎない。


商業でも同人でもすばらしい活躍をされている上でまだ学びなおそうというところや、読者の事を慮るその姿勢はすごく好感が持てるし、すごく応援したいのだが。言葉狩りはしたくないけども、大手ならではこそ見ている人も多いわけでやはり気をつけて(つかって)ほしいとは思う。


ってこんな事書いたら熱烈なファンに叩かれそうなのでご本人様にはコメントしてない。肯定的なコメントだけでなく時には諫言も必要だとは思うけどね。こんなネットの隅っこに書いても何の役にも立たないのはわかっているけどもとりあえずロバの耳ということで。


私個人の気持ちで言えば、好きな作家さんには生活費が十分まかなえる程度にそこそこ持続的に売れてほしいけど、必要以上にメジャーになってほしくない。独占欲のようなものだけど。一部のファンだけが知っている密かな楽しみというか。商業はまだしも同人だと大手だと買いにくくなっちゃうしね。