「頑張ってください」は失礼なのか?

サンクリの某本より。


昨年の冬に出した本の内でデビューおめでとうございますという文を載せましたが
がんばっているひとにがんばれは無いのではないか
素人がプロの方に向って失礼ではないか等ご意見を頂きました
(このくらいの引用はいいよね…?)


こんな、くだらないことを気にする人がいるんだ…。
あまつさえいちいち人の言動に差出口するとは。
「俺今いいこと言った」的な自己満足に過ぎないだろ…


こんなこといちいち突っ込んでたら、テレビとかのお便りコーナーとか全部ダメだろ。
がんばってください、で何が悪いのか。


「おつかれさま」「ごくろうさま」の違いをクドクドと気にするくらいどうでもいい。こういう日本語の細やかな配慮というか、自分と他者の関係性を重視した言い方は日本的で伝統的な美しいものではあるけれど、あまりに神経質になりすぎるとわずらわしいし、相手との距離を徒に広げてしまう。度が過ぎれば慇懃無礼になる。


敬語は相手と自分の距離を意図して離すために使うもの。フォーマルな場ならやむを得ずとも、同人とかネットのようなフラットに近い世界であちらが上、こちらが下、みたいな堅苦しい立場論を持ち出すのはどうかと思う。前時代的だ。
パロディを描くのであれば、原作(者)に対するリスペクトはあって然るべきだが、それはあくまで自発的に出てくるべきもので、義務であってはならない(というか意味が無い)と思う。同様に、原作者に対して自然に敬語になるのはいいことだけれど、いちいち言葉を咀嚼して敬語に置き換えるようなことはする必要がないのではないか。むしろ自然に口を衝いて出る、飾らない素直な言葉の方が自分の気持ちが伝わるのではないか。


しかも、自分と相手の間でのやり取りならまだしも、第三者が「失礼では?」云々と言うのはどう考えても余計な横槍である。単なる言葉狩りだ。


では、こういうとき「頑張ってください」でなくて何と言えばいいのか?ボキャ貧の私には適当な言葉が思いつかない。
サークルさんに差し入れしたり、スケブや色紙を書いてもらった後にかける言葉も結構悩むことがあるけど、それでも「頑張ってください」の一言で十分だと思うし、声をかけられた方(作家側)もそんなことでいちいち腹を立てたりはしないと思う。(もっとも私は敬意を払われる側の立場になることはほとんど無いのでその心のうちを代弁することは出来ない。どちらかと言うとそうあってほしいという願い。同人界が平和でありますように。的な。)