データの複製権はどこまで及ぶのか

7/28の日記で面白いコメントが付いてました。

いや1もまずいんじゃないの?
印刷したものも情報じゃね?

これは本文の

(1)カタログブラウザをインストール。必要な検索、印刷をして、アンインストールしてから出品した

を受けての発言。
確かに言われてみると購入したCD-ROMに含まれるデータの一部を印刷したものであるから、印刷したものも情報の一部だと言えなくも無い。


ただ、それを言ってしまうとキリが無いと思う。


程度問題だとは思うが、例えば全ページ分印刷してしまったら、これは完全に複製と言えるのでNGだろう。
参考までに。図書館での本のコピーは全ページの半分くらいまでは許容されると言う判例があるそうだ。
図書館と著作権法

ところで、図書館では著作物(一定期間を過ぎた定期刊行物を除く)の一部分しかコピーできないことになっているが、100ページある本のうち99ページをコピーするというのはどうか。これは法律に規定はないが、判例によると著作物のページ数の半分を超えると、もはや一部分とは言えないとされているようだ。だから、コピーをするときは、まずその著作物全体のページ数、そして自分がコピーしたい部分のページ数を確認する必要がある。


著作権法によれば、第四十七条の二あたりが関わってきそうです。

(プログラムの著作物の複製物の所有者による複製等)
第四十七条の二  プログラムの著作物の複製物の所有者は、自ら当該著作物を電子計算機において利用するために必要と認められる限度において、当該著作物の複製又は翻案(これにより創作した二次的著作物の複製を含む。)をすることができる。ただし、当該利用に係る複製物の使用につき、第百十三条第二項の規定が適用される場合は、この限りでない。
2  前項の複製物の所有者が当該複製物(同項の規定により作成された複製物を含む。)のいずれかについて滅失以外の事由により所有権を有しなくなつた後には、その者は、当該著作権者の別段の意思表示がない限り、その他の複製物を保存してはならない。

この項を厳密に適用するとCD-ROMの所有権をヤフオクで譲渡した場合は、手元に残った翻案(CD-ROMを使って印刷したもの)についても破棄しなければならない可能性がありそうです。ただ、「当該著作権者の別段の意思表示がない限り」の限定付きなので、本件の著作権者であるCD-ROMの発行者*1がいいと言えば問題ないことになります。このへんは法律での規定ではなくて著作権者の裁量に任されているということか。


まあ常識的に考えたら
・印刷したものくらいは保存していいよ
・データの丸ごとコピーは記録方式(メディア)・表現方式(データフォーマット)を変えたとしても、ダメ
・ハードディスクにインストールしたまま残すのはダメ
と言う感じじゃないでしょうかね。
(実際のところは著作権者に確認しないとわかりませんよ。あくまで常識で。)

*1:よくよく確認してみたら、CD-ROM版カタログの冊子って奥付が無い!!ので発行者がわからなかった。有限会社コミケットになるのかな?