いやいや、(読むだけなら)それほどでもなさそう。
文法的な基礎素養(格変化、動詞活用)さえ理解できてれば、あとは辞書を引き引き、なんとかなる 。
実は私、フィンランド語は勉強したことはない。のだけれど、こんな回答をさせてもらったり。
【不明な言語の翻訳】(フィンランド語?) xxx to kohonnut merkittavaksi kulttuurilliseksi yhteisoksi. こちらを日本語に翻訳するとどの様な意味になりますか? Googl.. - 人力検索はてな
フィンランド語は世界中の言語の中でも名詞の格が最も多い難解な言語として有名。
だけど、「読むだけ」であれば、これはむしろメリットになる。名詞を修飾する形容詞にも格の一致が要求されるから、同じ格の単語がいくつか並んでたら1つの名詞句だとすぐに想像できる。
単語の意味と格がわかれば後はほぼ機械的に文の構造が理解できるので、格が明示されない中国語とかに比べればはるかに楽かも(中国語は漢字で意味がわかる利点があるけど)
merkittäväksi kulttuurilliseksi yhteisöksi
これは、語末が全部 -ksi だから、全体で1つの名詞句。で、最後の yhteisö が名詞で、その前の2つは形容詞ということがわかる。
最初から merkittäväksi だとか kulttuurilliseksi だとかを辞書で引いても、これは活用後の形なので見出し語としては普通掲載されていないからそこでつまずいてしまう。原理がわかってれば -ksi をとった活用前の形で辞書を引けばよいわけだ。
格語尾はWikipediaで掲載されてるレベルで十分参考になる。
動詞の活用についてもWikipediaの内容で十分ルールはわかる。
Wikipediaすげー
ただまあ、事前に格文法についてのそこそこの理解は必要かなあ。
英語だと主格(主語)、属格(所有格)、対格(直接目的語)くらいの区別しかないし。
誤解を恐れずに単純に言っちゃえば日本語の助詞みたいなもんだからそんなに難しくはないんだけども。
フィンランド語というとクウェニャ語のベースとなったとされる言語の1つなので、かなり文法構造が似ているというのも役に立った。クウェニャ語を勉強したことがある人なら、フィンランド語の習得は楽だろうね。(あるいはフィンランド語を勉強したことがある人はクウェニャ語の習得が楽、というべきか)
クウェニャ語もフィンランド語同様、膠着語の性質を持ち、格の数もフィンランド語ほどではないが、多い。
格 | フィンランド語 | クウェニャ語 |
主格 | ○ | ○ |
属格 | ○ | ○ |
対格 | ○ | ×*1 |
与格 | × | ○ |
分格 | ○ | × |
様格 | ○ | × |
変格 | ○ | × |
内格 | ○ | × |
出格 | ○ | × |
入格 | ○ | × |
所格 | ○ | ○ |
向格 | ○ | ○ |
奪格 | ○ | ○ |
欠格 | ○ | × |
共格 | ○ | × |
具格 | ○ | ○ |
関与格 | × | ○ |
動作主格 | × | ○ |
被動者格 | × | ○*2 |
と、そういえば夏コミでもらったチラシを思い出した。
10/17だと他にイベントもないし、行ってみよっかな〜
◆「入門・エルフ語講座」申込み受付開始!(09.9.1)。
この秋、あの「エルフ語を読む」著者であり、東急セミナーの「エルフ語講座」講師の伊藤盡氏による講演「入門・エルフ語講座」を開催いたします。日時 2009年10月17日(土) 13:30〜16:30(予定)
講師 伊藤 盡 氏(信州大学人文学部准教授)
場所 渋谷区立 勤労福祉会館
地図はこちらをご参照ください。
参加費 お一人様1000円
参加費は当日、会場で頂きます。