スマホに替えて一年、そして一年前のこと

思えば一年前の今日、初めて携帯をスマホに切り替えたのだった。その前使ってたのはmovaロートル携帯だった。そして、震災があった。一年前の記憶を辿って、書いてみようと思う。


一年前というと、ちょうど東日本大震災があったわけだけど、スマホに機種変したことはそのことと関係あるようで、あんまりない。偶然に、時期が重なったのだ。
当時movaサービスの停止が迫っており、やむを得ずFOMA機への機種変を迫られていたので、せっかくなのでスマホにするか、ということでスマホに替えたのだった。


以前使っていたのがNの携帯だったので、あまり深く考えず、Nが初めて出すというスマホ(MEDIAS N-04C)を選んだのだが。movaをずっと使ってたもので、いわゆる「ガラケー」時代を私は知らない。おサイフケータイとかワンセグとかガラケーでおなじみの機能が全部入りということで、しかも世界最薄*1というスペックだけで選んだようなものだ。実際発売前に店頭で触ってみたものの、Androidなどそれまで触ったことがないので、果たして海のものとも山のものともつかず、まあそんなに不便なく使えればいいかー、とそんな気持ちだったと思う。


発売日前に予約しておいて、あと数日で発売というタイミングで、東日本大震災が起きた。地震の日は平日で、普通に会社にいたのだが、ビルがあり得ないほど揺れてまともに立っていられないという状況を初めて体験した。電車がまともに機能してないことは早い段階でわかっていたので、会社に泊まる決意をしたのはそんなに悩まなかった。もっとも、電車(駅)があんなにひどいことになっていて、帰宅難民で溢れる結果になろうとは予想もしていなかったが。留まる決意をして本当に良かった。


会社にはテレビが無く(普通はないと思うけど)、ワンセグとかもないので、情報に置き去りにされてる感をひしひしと感じた。何が起きているのか、全く分からなかった。こういう時こそスマホがあれば、と思った。あと数日、震災が遅かったらスマホを先に買えていたのに。ともかく、あの日はスマホなど持っておらず、手元にあったのはモノクロディスプレイのmovaという有様なので、ろくにネットも見られるわけでもなく、東北で何が起きているかなど知る由もなく、ああ、今日は家に帰れないけど、今夜のまどマギ第11話はどうなるのかなー、延期かなー、などとのんきなことを考えていた*2


夜になって、会社のPCでニュースが見られないかいろいろやってみたけど、ustが切れ切れに見られる程度だった。それでも、悲劇的な津波の映像とかを初めて目の当たりにして、ようやく事の深刻さを思い知ったのだった。その晩は、フロアの床に段ボールを敷いて、会社から支給された非常用毛布に包まりながら、明日は一体どうなるのかと訝しみながら一夜を過ごした。


翌日起きてみると、それほど深刻な感じは無く、世間は(少なくとも自分の周囲は)平静を取り戻しているように思えた。昼前には電車も再開したらしいと会社からアナウンスがあったので、電車に乗って帰宅。電車は遅れたりはしていたものの、なんとか地元駅までは運行していて助かった。しかし、路線バスは運行してなかったので、なんとかタクシーを捕まえて帰宅するしかなかった。


数日後、予約していたヨドバシで無事、今のスマホを購入したのだけど、当時ヨドバシは節電営業で看板は消灯していて傍目には営業してるかどうかも分からないような状況、ネオンの消えた新宿は昼間でも薄暗かった。館内も薄暗い有様だったのを今でもよく覚えている。


そうして手に入れたスマホを、一年たった今もそのまま使っている。ともかくも、そうした事情で私の中では不思議な縁を持って震災とスマホの記憶が奇妙に結びついている。


MEDIAS N-04Cは初期不具合が多くネットでは色々叩かれているようだが、私の手元に来た端末は幸運にも当たりだったのか、あるいは使い方の問題なのか、それほど酷いようには思われない。発売後メジャーアップデートが出るまでは、MicroSDが見えなくなるとか致命的なソフトウェア問題もあったが、アップデート後は深刻な問題がなく使えている。


そしてスマホを使い始めてから一年経ち、スマホの使い方にもかなり慣れた。もはやスマホがない生活は考えられないほど、生活習慣が変わったように感じる(実際、変わっている)。それが良いことなのか、悪いことなのか、未だ考えあぐねている。答えが出るのはもう少し先のことだろう。


一年前は書かなかったことども、まとまりのないながらも書いてみた。以上、誰に向けてということもなく、日記として。

*1:薄さ約7.7mm。当時最薄、だけど今でも最薄でいいのかな?

*2:結局その日の放映は延期になって、続きが放送されたのはだいぶ先になったのは知られている通り。