スペインのトールキンコミュニティがトールキン財団(Tolkien Estate)に突貫して聞きたかったことを聞いてくれていたようです。やっぱりみんな聞きたいことは一緒だね。
Entrevista con Adam Tolkien, el nieto de J.R.R. Tolkien - Fantasymundo.com ::.
以下超意訳で。たぶん誤訳とかあると思うけど恥ずかしいのでスルーの方向で。
Spanish Tolkien Society の Alejandro Serrano氏が、Tolkien EstateのAdam Tolkien氏(J.R.R.Tolkien氏の孫。Christopher Tolkien氏の子。)にインタビューしているもの。原文はスペイン語。
Alejandro Serrano: こんにちは。Adam!
Adam Tolkien (スペイン語で): こんにちは! お返事が遅くなってしまいすみませんでした…
Alejandro Serrano: まず最初に、つたない英語ですみません。最近はChristopher Tolkien氏もたいへんお忙しいようで、たいていはインタビューには応じていただけませんし、我々としても彼(や貴方)にご迷惑をおかけするつもりはありません。もちろん、貴方が我々にお会いしてくれたことは光栄です。そして、我々はChildren of Húrinやその他の作品について、世界が知りたいと思っていることを理解しています。我々の質問に答える機会を設けてくださったことをうれしく思います。
Alejandro Serrano: では、最初に我々が知りたいのは、Children of Húrinの中に新しい題材があるのかどうか、つまりこれから出版される文章は、他の本の中のものと本質的に同じなのかどうかということです。これは我々の多くが議論している問題です。
Adam Tolkien: これは思ったよりも難しい質問ですね。ご存知のように、フーリンとその子らの物語は、いくつかのバージョンや断片がこれまで様々な作品の中で出版されてきました(Silmarillion(邦題:シルマリルの物語)、Unfinished Tales(邦題:終わらざりし物語)、Lost Tales(未訳)、Lays of Beleriand(未訳)など)。"The Children of Hurin"の文章は、部分的にはこれらの現存する文章、特にUnfinished Talesの中から編集されたものです。
しかし、完全な物語にするために新たに書き直されています。文章のうち大半は、全く同じであるか、そうでない場合でもよく読み込んでいる読者であればそれとわかるものですが、これまでに一度も公開されていない文章もあります。
また単体で完成した文章の形態ですので、編集者の注釈で物語が中断されることもなく、これは私の意見ですが、見違えるほどに読んだときの感想が変わっているはずです。
読者の中には、Silmarillionはとても難しく、惹きつけられるような物語とはかけ離れていると感じていたり、また中つ国の歴史へと関心が向きがちな編集者の文章を辛抱強く読みたいと思わない読者が大勢いるとChristopher Tolkienは考えています。
我々はこういった読者が"The Children of Hurin"に十分に惹きつけられ、そしてJRR Tolkienにとって重要な意味を持っていた「大いなる物語」と、"The Lord of The Rings"の背後に広がる魅惑的な神話の全体を楽しんでほしいと思っています。
結論としては、文章のうちの大半は基本的に他の作品(特にUnfinished Tales)のものと同じであり、その他の部分はHistory of Middle Earthを詳しく読み込んでいる方以外には新しいものです。
これまでに出版された文章や、まだ出版されていない他の「断片」を再構成したものですので、全体としては「新しい」ものであると言えます。ある意味で、完成したパズルです。
Alejandro Serrano: もう1つ知りたいこととして、Children of Húrinの文章はJ.R.R.Tolkien氏の作品を編集したものなのか、それともChristopher氏の言葉で補完されて本としてまとまったものなのでしょうか(Silmarillionのように)。
Adam Tolkien: 上の回答がこの質問に答える助けになるでしょう。しかし、文法や文体のごくわずかな手直しを別にすれば、"The Children of Hurin"の文章は完全に著者(J.R.R. Tolkien)のものであるというのが事実です。
Christopherの仕事は、何十年にもわたって途切れた多くの原稿から、父の書いたものを忠実に反映しつつ洗練された文章にすることでした。
Alejandro Serrano: これはすべての人にとって夢でしょう。この本は次の本への期待を持たせます。例えば'The Fall of Gondolin'や、'Beren and Lúthien'、'Song of Leithian'についてはどうでしょう?
Adam Tolkien: この問題についてはいくつか言われてきました。J.R.R. Tolkienがこれらの物語をChildren of Hurinのように広範にわたって書き直すということはないという問題があり、そのために編集できる材料が少なく、出版するだけの価値のある分量にすることがより困難になるでしょう。全く不可能というわけではないですが、それだけに過ぎません!
Alejandro Serrano: スペインのJ.R.R. Tolkienファンは本の出版を気を揉んで待っています。おそらくは2007年の4月を過ぎても待たなくてはならないでしょう。Children of Húrinのスペイン語版の正確なリリース日をご存知ですか?次の本は「世界的なリリース」になるのでしょうか?
Adam Tolkien: この件についてはスペインの出版社に聞いてみる必要があります。我々にははっきりとしたことは何も分かりません。これは(英語版の出版社である)Harper Collinsとスペインの出版社の間で議論されるべき問題です。
Alejandro Serrano: ホビットの冒険を題材にした映画(1本または2本)については多くのことが言われています。これは本にとって良いことでしょうか?それとも悪いことでしょうか。(多くの人は映画が公開されれば始めてこの本を読むでしょう。Lord of the Ringsでそうだったように)。
Adam Tolkien: それは映画の出来次第というしかないですね!
Alejandro Serrano: 最後に、貴重なお時間を頂きありがとうございました。そしてChristopher氏の作品であるこの本と、これまでの彼の父に関する出版物に対してお祝いを言わせてください。Dor-Lómin.org、Fantasymundo.comそしてSpanish Tolkien Societyの人々に対して何かご挨拶をいただけますか?
Adam Tolkien (スペイン語で): こんにちは。ご拝読ありがとうございます。Children of Húrinが皆さんの期待を裏切らないよう願っています。これは壮大な物語です…
Alejandro Serrano: 貴重なお時間をありがとうございました…
Adam Tolkien(またスペイン語で): とんでもない!
来月のTOEICが心配だ・・・